成長戦略企業インタビュー
補助金4億円獲得、売上10倍、平均年収1.8倍の裏側――KATWORLD株式会社
上8年で約10倍、平均年収約250万円から約450万円へ──。地方の自動車整備会社として異例の成長を遂げたKATWORLD株式会社。その成長の裏側には、生産性向上への徹底的なこだわり、制度を戦略的に活用する経営判断、そして「人」への投資がありました。本記事では、桑原社長の言葉を中心に、その取り組みの全貌をお伝えします。
1. 賃上げと生産性向上の取り組み
桑原社長が繰り返し語るビジョンがあります。
「整備士が、誇りを持って働けて、きちんと稼げる会社をつくりたい」
技術も責任もある仕事なのに、待遇がそれに見合っていない──。この構造的な問題に対し、桑原社長は感情論ではなく、生産性を上げることで給料を上げるという明快な答えを出しました。
具体的には、整備工程や予約管理の考え方を根本から見直しました。工場長任せだった工程管理を営業・管理側が担う体制に変え、2人1組での作業を標準化。リフトを使わない作業は極力分離し、稼働率を最大化しました。
特別な魔法を使ったわけではありません。やると決めて、徹底しただけです。
その結果、平均年収は約250万円から約450万円へ、社員数は8名から約50名へと拡大。数字が示す通り、賃上げと生産性向上は表裏一体の取り組みでした。
しかし、桑原社長は現状に満足していません。
(規模拡大した)ここからが一番難しいフェーズだと思っています。改善だけでは差別化できなくなった。立地・設備・人材といった"資本勝負"の土俵に移っていることを実感しています。
この現実を直視したことが、補助金・税制・公的資金調達を本格的に経営戦略へ組み込む転機となりました。
2. 補助金活用──制度を経営戦略に変える
成長加速化補助金の活用にあたって、桑原社長は複数の支援機関を検討しました。最終的にシャイン総研を選んだ決め手は、「制度×財務×金融機関対応」を一貫で支援できる体制でした。
他の支援先は、補助金だけ、融資だけという分断された提案でした。シャイン総研は、税制優遇、公的融資と補助金をセットで提案してくれた。
補助金採択から設備投資、税制適用、融資実行までの一連の流れを"いつ何をするか"まで整理してもらえたことで、経営の考え方が変わりました。
3. 人材投資──「ナンバー2」が成長を加速させる
KATWORLDでは「人」への投資を重視しています。その象徴的な例が「ナンバー2」の存在。2023年12月に入社した池邉様は、補助金対応、Webマーケティング、制度設計、社内調整など、ゴールだけ示されて「あとは任せる」という環境の中で、主体性を持って動いています。池邉様は次のように語ります。
人事の募集でしたが、実際は経営にかなり近いところまで関わらせてもらっています。社長ほどの最終責任はないが、社長の視点で経営を見る経験ができる。これは本当に貴重です。
桑原社長は、規模が大きくなるほど「感覚ではなく仕組みで経営する必要がある」と語ります。その「仕組み」を回すための人材への投資が、同社の成長を加速させています。今後は、3000坪規模の新拠点を軸に、平均年収600万円を目指し、人材採用力をさらに強化していく計画です。
これから制度(補助金)活用を検討する企業へ
最後に、補助金や投資に不安を感じている経営者へ、桑原社長からのメッセージです。
怖いなら、無理にやらなくていい。でも何もしないことが最大のリスクになる時代。
賃上げ圧力、競争激化、人材不足。やれる環境にあるなら、動いた方が確実に差がつく。ただ、制度ありきではなく『やるべき投資』が前提──。そこを見極めるパートナーがいるかどうかが、成否を分けると思います。
整備士の待遇改善は、生産性向上と投資がセット。制度を使いこなせば、日本一高い給料を払える整備会社は、夢物語ではないと証明したい。
※本記事は2026年2月時点の情報です。掲載内容はKATWORLD株式会社様の許諾を得て公開しています。